ICLはデメリットの少ない手術だとよく言われるけど、実際に手術を受けた人は本当にデメリットを感じてないの?
ICLのメリット・デメリットの本当のところを知りたい!
ICLのデメリットは、クリニックの公式サイトでも解説されていますが、その多くが
「デメリットも一応あるけど大したものじゃありません」
「レーシックのデメリットが解消されていてむしろメリットばかりです」
といった調子で書かれていて、本当に信頼して良いのか?と不安に感じた方もいらっしゃると思います。
実は、ICL手術を受けた私からすると、
- クリニックのサイトに書かれているメリットには限りなく嘘に近いものもある
- クリニックのサイトに全く書かれていないデメリットも存在する
というのが本当のところなんですよね。
ということでこの記事では、ICLのメリット・デメリットについて、手術体験者の立場から徹底解説していきます。
クリニックが語るメリット・デメリットの真偽や、巷では語られていないデメリットなど、ICLの本当のところを把握いただけると思います。
- 本記事の内容
-
ICLクリニックが語るメリット・デメリットは本当に正しいのか?
-
実際に手術してわかったICLの本当のデメリット
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実際に手術してわかったICLの本当のメリット
- この記事を書いている人
目次
ICLクリニックのサイトに書かれているメリット・デメリットおさらい
サイトでよく書かれているのは以下のような内容だと思います↓
メリット①:レンズを取り出せば元に戻せる
→レーシックと違って角膜を削らないので、問題が発生した場合は元に戻せる
メリット②:見え方の質がレーシックより高い
→角膜を削らないので、角膜の歪みが発生せず、見え方が非常にクリア
メリット③:近視の戻りがない
→レーシックは削った角膜の形が戻ると視力も元に戻ってしまうが、ICLはレンズを埋め込むので効果が永久的に持続する
デメリット①:費用が高額
→ただしコンタクトを買い続けるよりも長期的には安くなる
デメリット②:ハロ・グレア、光の輪が見える
→ただしレーシックよりも出方は弱いし、気にならなくなる人がほとんど
デメリット③:合併症、感染症などのリスク
→ただし0.1%未満の世界なのでほぼ無視できる
というのがクリニックの主張なのですが・・・
実際にICL手術を受けて、これらのメリット・デメリットをどう感じたか
ICL手術体験者としての正直な感想は以下の通りです↓
メリット①:レンズを取り出せば元に戻せる
→レーシックと違って角膜を削らないので、問題が発生した場合は元に戻せる
⇒これははっきり言って嘘です。下で解説します。
メリット②:見え方の質がレーシックより高い
→角膜を削らないので、角膜の歪みが発生せず、見え方が非常にクリア
⇒見え方の質は非常に高く、大変満足。手術の過程で乱視が解消されたため、むしろコンタクトの頃よりクリアに見えます。
メリット③:近視の戻りがない
→レーシックは削った角膜の形が戻ると視力も元に戻ってしまうが、ICLはレンズを埋め込むので効果が永久的に持続する
⇒これも限りなく嘘に近いです。下で解説します。
デメリット①:費用が高額
→ただしコンタクトを買い続けるよりも長期的には安くなる
⇒クリニックをきちんと選べば事実。紹介割引と医療費控除を使えばさらに安く手術できます。
デメリット②:ハロ・グレア、光の輪が見える
→ただしレーシックよりも出方は弱いし、気にならなくなる人がほとんど
⇒事実。手術直後は見えましたが、数ヶ月で脳が順応して本当に全く気にならなくなりました。
デメリット③:合併症、感染症などのリスク
→ただし0.1%未満の世界なのでほぼ無視できる
⇒発生可能性が非常に低いのは事実。ただし、自分で知識を持っておくことと、クリニック選びも重要。
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クリニックが言及しているデメリットは、実際には全くデメリットに感じませんでした。
むしろ、クリニックが言及していない全く違う部分にデメリットを感じているんですよね。
以下詳しく解説していきます。
実際に手術を受けてわかったICLの本当のデメリット5つ
本当のデメリット①:レンズを取り出すのにはリスクがある
「レンズを取り出せば元に戻せる」というのは、はっきり言って嘘です。
というのも、ICLレンズは、角膜に微小な切れ込みを入れて、そこから細長く折りたたんだレンズを挿入して、角膜の内側でレンズを広げて虹彩の奥に入れ込みます。
この広げたレンズを取り出すとなると、挿入したときの切れ込みの大きさでは絶対に不可能ですよね。
より大きな切れ込みを入れて、無理やり引っ張り出さなければいけません。
そうなると、角膜の修復にも時間がかかるし、そもそも元通りに修復しない可能性も出てきます。
実際に、レンズを取り出した際に、角膜の形状に影響が出て乱視が発生してしまった、という方もいらっしゃいます。
なので、結論としては、
✕ レンズを取り出せば元に戻せる
○ レンズを取り出すことはできるが、完全には戻らないリスクがある
が正しいです。
もちろん、完全に戻せないレーシックよりはマシですし、再手術の可能性は1%以下なので過度に気にする必要はありません。
ただ、万が一再手術となってからこの事実を知ったとしたら絶対に後悔すると思うので、ICLを検討中の方は今のうちから認識しておくべきデメリットだと思います。
本当のデメリット②:視力は永久的には持続しない
「レンズを埋め込むので、レーシックのように近視に戻ることはない」
「レンズの効果は永久的に持続する」
というのは事実です。
ですが、これはイコール「視力が永久的に持続する」というわけではないんですよね。
近視そのものがさらに進行すると、レンズの度数が合わなくなって視力が下がる可能性はあります。
なので、コンタクトの頃は「視力が下がれば度数を上げればいいや」というスタンスでしたが、ICLにしてからは、
- PC作業中はブルーライトカット眼鏡をかける
- ふとしたときに遠くのものを見る
といった、現在の視力をキープする工夫をしています。
実際に、2019年に手術を行ってから現在まで、左右1.5、両目で2.0をキープできていますが、視力が低下する可能性があるということは認識しておくべきデメリットだと思います。
本当のデメリット③:睡眠の質が下がった
これが、クリニックのサイトで語られていないデメリットその1。
手術を受けてから、朝起きたときに疲れがとれていない感覚があって、実際に睡眠アプリの快眠スコアも少し下がっていたんですよね。
おそらくですがこれは、これまではコンタクトを外して目が見えなくなることが、就寝のスイッチになっていたんだと思います。
それが、ベッドに入っても目が見えるので、脳が睡眠モードに入れずに睡眠の質が下がった。
この可能性が高いと思っています。
実際に睡眠の質が下がったのは手術後数ヶ月程度で、その後は体感もアプリのスコアも元に戻りました。
「コンタクトを外すと就寝スイッチが入る」のは後天的な習慣であって、先天的なものではないので、元に戻って当然ではあるのですが、
万が一元に戻らなかったとしたら、かなり後悔していたと思います。
本当のデメリット④:物体が二重に見える
クリニックのサイトで語られていないデメリットその2。
テレビなどを見ているときに、視界の端に画面がうっすらと二重に見えることがあるんです。
これは同じような見え方をしている方が実際にいらっしゃいます。
icl手術で視覚障害が起きる特定条件は、夜間など周囲が暗い状況で発光体を見たとき。下方向にその発光体が薄っすらと二重に見える。#icl #眼内コンタクトレンズ #視覚障害
— InR26 (@in_r26) February 2, 2020
ICL手術後あるあるなのかな?
— あらぽん (@arapon1cl) September 22, 2019
ハローグレアのせいで、視界の端に残像が見えて、おばけ!??って思う瞬間がある 笑#icl手術 #眼内コンタクトレンズ
なんでも二重に見えるのではなくて、
- テレビのような光を発する物体
- テレビを見る距離・角度
- 部屋の照明との位置関係
これらが特定の条件を満たしたときに、レンズの反射の影響で、視界の端にうっすら現れるようです。
私の場合、2〜3ヶ月に1度見えることが1年ほど続いて、その後は脳が順応したためか見えなくなりました。
ただし、症状の程度次第ではデメリットに感じる人もいらっしゃるかもしれないので、クリニックのサイトでは語られていない内容として今回ご紹介しておきます。
本当のデメリット⑤:乱視用レンズは適用できない人もいる
乱視用レンズを検討している方もいらっしゃると思いますが、実は乱視用レンズって全員に適用できるとは限らないんですよね。
ICLレンズを埋め込む後房空間の形状には個人差があって、後房空間が真円状の人は乱視用レンズを適用できないんです。
後房空間が真円状だと回転する可能性あり
このように、後房空間が真円状の人だと、レンズが回転してしまいます。
通常レンズなら回転しても全く問題ないのですが、乱視レンズは「特定の方向に対する歪みを矯正する」レンズなので向きが重要で、回転すると歪みを矯正できなくなります。
むしろ、おかしな向きに歪みが矯正されて、歪みがより悪化してしまいます。
このため、乱視用レンズは後房空間が真円状の人は適用できないんです。
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ここまで、ICLの本当のデメリットについて解説してきました。
物事には何事も必ず、良い面・悪い面の両面があります。
ここからは、ICLの本当のメリットについて解説していきます。
実際に手術してわかったICLの本当のメリット8つ
私が自分自身で実感しているメリットのうち、巷でもよく言われているメリットを4つと、巷で語られていないメリットを4つ、それぞれ解説します。
本当のメリット①:コンタクトの異物感や痛みから解放された
コンタクトの頃は、
「レンズに細かいゴミがつくとすぐにゴロゴロと異物感がする」
「大きめのゴミが入るとレンズに干渉して激痛がする」
「もはや朝装着した瞬間から痛い日もある」
といった状況ががかなりストレスでした。
ICL手術を受けたのはまさにこれを解消したかったからなのですが、異物感と痛みから完全に解放されて、物理的にも精神的にも実際めちゃくちゃ満足度が高いです。
本当のメリット②:ドライアイが解消した
コンタクトの頃は、夕方以降にレンズが乾いてドライアイになるのも悩みでした。
ICLでドライアイが解消してからは、寝る前の読書や映画鑑賞が快適になりました。
本当のメリット③:新幹線や飛行機での睡眠が快適になった
長時間の移動で寝るときに、コンタクトを外すかどうかで毎回悩んでたんですよね。
付けたまま寝るとレンズがカピカピになるし、そもそも睡眠の質も下がる。
かと言ってコンタクトを取って寝ると、トイレや機内食が不便だし、コンタクトを付け直す手間や衛生面も気がかり。
みたいなことを以前はイチイチ考えていたのですが、ICLにしてからは何も気にせずに寝たいときに寝て、目が覚めたらすぐに本を読んだり機内食を食べたり行動できるようになりました。
そして、コンタクトを付けたまま寝ていたときよりも、確実に睡眠の質が高いです。
長時間の移動に関しては、圧倒的に便利&快適になりました。
本当のメリット④:ハロ・グレア現象が大したことなかった
ICLはハロ・グレアが出にくいと言われてはいるものの、私も手術前は不安がありました。
ですが実際に手術を終えると、夜に光源のまわりがにじむ感覚(ハロ)は少しあるものの、光がまぶしい感覚(グレア)はありませんでした。
手術直後から「なんだこんなもんか」とすぐに受け入れられましたし、数ヶ月で脳が順応して全く気にならなくなりました。
光の輪も同様で、数ヶ月で全く気にならなくなりました。
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ここまでの4つは、ICLを検討している人の多くが理解している内容だと思います。
巷では語られていないメリットについても4つ解説します↓
本当のメリット⑤:朝ベッドでダラダラする時間が激減した
これがICL手術で一番のメリットかもしれません。
休みの日に、朝起きてベッドでダラダラする時間が劇的に減りました。
コンタクトの頃は、目が覚めて、目が見えないまま枕元のスマホをいじって、気づいたら1時間経過・・・といった無駄な時間を過ごすのが常態化していました。
ICLにしてからは、目覚めた瞬間から目が見えるので、すぐに起き上がって行動できるようになったんですよね。
起き上がりたくないときも、ノートPCで作業をしたり、本を読んだりがすぐに行えます。
QOLが圧倒的に上がりました。
本当のメリット⑥:通常レンズで乱視が解消した
私は乱視用レンズではなく通常レンズで手術を行ったのですが、手術後に乱視が解消していました。
実は、レンズの挿入箇所が修復する過程で角膜の歪みが治って、ある程度の乱視であれば高確率で解消するんです。
私は中程度の乱視持ちだったので、最初は乱視レンズを希望して来院したのですが、この修復作用の説明を受けて、通常レンズで手術することに決めました。
結果、乱視は無事に解消され、コンタクトの頃よりもクリアに見えるようになりました。
手術の前はむしろICLの見え方を若干心配していたくらいだったので、これは大きなメリットに感じました。
本当のメリット⑦:目ヤニの量が減った
コンタクトの頃よりも目ヤニの量が明らかに減ったんですよ。
理由はおそらくですが、ICLにして目の中の衛生状態が改善したからだと思います。
コンタクトだと、レンズの付け外しで雑菌が入ったり、ドライアイで涙の循環も悪くなりますからね。
何だかんだコンタクトって目に負担かけてたんだな、と改めて痛感しました。
ちなみに、コンタクトの頃は、まぶたの内側に小さなデキモノがしょっちゅうできて、コンタクトを外しても目の中がゴロゴロしていることがよくありました。
ICLにしてからはそういったデキモノも一切できなくなったので、やはり目の中が清潔になったのだと感じます。
本当のメリット⑧:費用が予想外に安く済んだ
手術前は60~70万円はかかるかなと覚悟していましたが、結論35.5万円で済みました。
理由は以下の3つで、
- 乱視レンズではなく通常レンズで済んだ
- 紹介クーポンで割引が効いた
- 医療費控除を適用できた
近視度数-5D未満の人、年収が高く医療費控除の節税メリットをより享受できる人は、さらに安く済ますことができます。
35万円なら、1Dayコンタクトを買い続けるのに年間5万円かかるとして、7年で元が取れる計算です。
費用面はデメリットではなく、長期的に見てむしろメリットだと感じます。
まとめ
ICLの本当のデメリット
- レンズを取り出すのにはリスクがある
- 視力は永久には持続しない
- 睡眠の質が一時的に下がった
- 物体が二重に見える瞬間があった
- 乱視用レンズを適用できない人もいる
ICLの本当のメリット
- コンタクトの異物感や痛みから解放された
- ドライアイが解消した
- 幹線や飛行機での睡眠が快適になった
- ハロ・グレア現象が大したことなかった
- 朝ベッドでダラダラする時間が激減した
- 通常レンズでも乱視が解消した
- 目の衛生状態が良くなった
- 費用が予想外に安く済んだ
繰り返しになりますが、物事には何事も必ず、良い面・悪い面の両面があります。
メリット・デメリットをどちらも正しく把握した上で、ICL手術を受けるかどうか判断することをおすすめします。
クリニックを具体的に検討したい方はこちらの記事をクリック↓